一般歯科

虫歯治療

虫歯治療で大切だと思っている事

一つ目は「よく見えている事」
当たり前の事ですがちゃんと歯が見えていないときっちりした治療は不可能です。
当院では私はもちろんスタッフも拡大鏡(サージテル)を使用し明るく大きく歯を拡大して見ています。 歯の細部にまで気を配り丁寧に虫歯や歯石をとり、形を整え、詰める、あるいは型をとるといった基本的な事を積み重ねる事こそが虫歯治療の神髄です。 最新の道具や材料にはもちろんいいものもありますが、それは良い治療の本質ではありません。
当たり前ですがまずはしっかりと見えていないと!

二つ目は「丁寧な仕事」
皆さんは「歯を削る、削られた」という表現をされると思います。
私は「歯を削る」とはいいません、「歯の形を整える」と表現します。詰め物やかぶせを型取りする時にはたしかに歯を削りますが、そこには多くのノウハウと経験と緻密さが詰め込まれています。 ひと削りひと削りに意味があります、歯を長持ちさせながらも、取れにくい、清掃のしやすい形態など様々な事を考えながら形を整えています。 その仕事を最も評価できる立場の人は誰だと思われますか?それは患者さまではなく実は歯科技工士さんです。 私のクリニックでは四つの技工所にお仕事を依頼していますが、その営業担当の方のうち3人は私の患者さまです。 一日20~30件の歯科医院の石こう模型を引き取りラボに持ち帰られる中で、私の仕事を認めてくださっています。 歯科治療の内容は多岐に渡りますが、そのクオリティは根底にある治療に対する考え方や美意識に依存します。
決して手を抜くことはできないのです。

三つ目は「本当にいい治療を提供したいという真心」
歯科医師一年目のときに先輩に言われたことがあります。「簡単なことは一つもないぞ」。
その通りなんです。患者様を欺いて手を抜くことは簡単にできます。保険点数は日本中どの歯科医師がどんなクオリティで治療しても同じです。 それでも決して手を抜かない、自分自身や家族にもその治療をするか常に自問します。それが歯科医師としての真心だと思っています。 治療内容はできるだけ口腔内カメラで撮影し、術前、術中、術後の比較を視覚化して見て頂きます。 「拡大して見せることが出来ないような治療」はしません。そしてそれを一年中毎日毎日、朝から夕方まですべての方に提供します、「今日は疲れているから」「今日は気分が乗らないから」など論外。 その場しのぎの治療はしません、5年後10年後に後悔しない治療をご提案した上で、それぞれの患者様の価値観とすり合わせて治療計画を立案します。

歯周病治療

歯周病治療で大切だと思っている事
「歯周病は感染症」この大前提がとても重要であり、感染源を除去することが歯周病治療の基本となります。
みなさんが毎日取り組んでいる歯ブラシは歯垢の除去が目的で、その歯垢のなかに歯周病を引き起こす原因となる歯周病菌が沢山いるので、歯ブラシは一番大事な治療となります。 歯周病の治療について大事だと思う事を三つあげます。

一つ目は「現状を知る事」
歯が植わっている顎の骨の状態をレントゲンで調べる事。
歯と歯茎の隙間の歯周ポケットの深さを調べる事。
歯肉からの出血、歯の動揺、歯肉の腫れ、どの歯のどの部分にたくさんの歯垢がついているかといった検査を行い現状の把握をします。
つまりどの部分にどれだけの感染源がついているのか、隠れているのかを知る必要があります。 目的をはっきりさせてから、いかにして感染源を除去するかを検討します。

二つ目は「どうやって感染源を除去するか」
歯ブラシで除去できる感染源を除去していただくのは患者さまご自身です。毎日一回少なくとも就寝前に歯垢を完全に除去することで歯周病の状態はかなり改善します。 しかしながらほとんどの方にとってすべての歯垢を除去することは困難です。 そこで歯科衛生士の出番です、どの歯のどの部分に磨き残しがあるのか、歯ブラシ以外の歯間ブラシやフロスの使用、洗口液による化学的な除菌などをそれぞれの方に合わせて指導させていただきます。 ブラッシングでは除去できない歯石は歯科衛生士がスケーラーという機材で除去します。 患者さまでは触れない歯周ポケット内の歯石も歯科衛生士が14種類以上の形態をもつ道具を使用して除去します。 それでも改善しない深い歯周ポケット内の歯石は麻酔をして歯科医師が除去します、これは歯周外科と呼ばれます。

三つ目は「良好な状態を維持する事」
最終検査にて歯肉状態の改善を確認したら、そのあとが一番肝心、歯科衛生士が定期的に口腔内のPMTC(プロフェッショナルによる機材を用いての歯の清掃)を行います。 また毎日のブラッシングの状態をチェックして弱点をご指摘します。 その情報を持ち帰って頂き、次の検診まで一日最低一回口腔内を出来るだけ清潔にすることを継続してください。 ここだけの話しばらくぶりに来院した方はしばしば悪くなっていることが多いので、頑張りましょう。

歯周外科

歯周外科という選択肢
前項「歯周病治療で大切だと思っている事」の三つを行っても制御できず進行した歯周病では「歯周外科」という選択肢があります。
深くなった歯周ポケット内の歯石や感染組織の除去、破壊された歯周組織の除去、不適切な歯槽骨の形態修正など基本的な歯周治療では不可能な状況においては、外科的なアプローチによって歯周病の進行を制御し、 口腔の清掃性を改善させることが可能です。
また、一定の条件下では失われた歯周組織を再生させることも可能です。
この「歯周組織再生療法」も歯周外科の選択肢の一つで、当院では進行した歯周病に対して「歯周外科」を応用することにより、できる限り歯を保存することに努めています。

歯周病予防プログラム

当院では予防歯科への取り組みを通じて健康寿命の延伸に貢献したいと考え、年3~4回の定期健診において「歯周病予防プログラム」として以下のメインテナンスを 院内に設けた快適な「予防専用ルーム」でご提供いたします。

・ 歯周病検査による歯周病チェック

・ 高倍率拡大鏡によるカリエスチェック

・ PMTC(口腔清掃用機材による専門的口腔清掃)

・ 個別のブラッシング指導

・ 最適なブラッシングツールのご提案

・ 病態にあった洗口剤の選定

・ 生活習慣改善のご提案

欠損補綴治療

欠損補綴治療(失った歯を回復する治療)について大事だと思っている事
残念ながら歯を失ってしまったときに、大事だと思っている事が三つあります。

一つ目は「なぜその歯を失ったのかを考える事」
当たり前のようですが、つい忘れがちです。
歯がぐらついてきて抜歯に至った場合、他の歯はぐらついていないのでしょうか?
虫歯で抜歯に至った場合、他には虫歯がないでしょうか?
なぜ抜歯しないといけないほどの虫歯になったのでしょう… 歯ブラシをサボったのか、それとも甘いものばかり食べていたのか?
歯が割れてしまって抜歯に至る事もあります。強く食いしばったり、歯ぎしりをしたりしていませんでしょうか?
そういった検討をせずに入れ歯やブリッジを入れても、またダメになるに決まっています。
まずはそのことを検討しましょう。

二つ目は「本当に入れる必要がありますか?という事」
抜歯をしたあとの選択肢には「入れ歯、ブリッジ、インプラント」がありますが、もう一つの大事な選択肢はなにも入れないという事です。
そもそもなぜ歯が必要なのでしょうか?
それは美味しく食事ができて、生きていくための栄養を口から接種するため、もう一つは見た目がきれいになりたいという審美的な目的です。前歯が無くても気にならない方に対して歯を入れる必要はありません。 なんでも咬めて食事が出来ている方に高額のインプラントを勧めることもしません。 訪問診療では寝たきりでご自身で食事ができない方もいますがそういった方の口腔内で一番清潔に感じるのは総義歯の方です。 歯があるから汚れるのです。 下に頑丈なインプラントが2~3本入って上に歯がない状態を想像してみてください、上の歯ぐきをインプラントが咬みこんで上の歯ぐきは大変な状態です。 施設を訪問すると目先のことばかり見てはダメだとつくづく思います。
そしてここが大事ですが、人間あらかた同じ道を歩むのです。

三つ目は「もし入れるなら丁寧に、大胆に…」
もし「ブリッジを入れましょう」となった場合、奥歯ならなるべく歯を削らない歯の切削デザインを追求します。 特に健全な歯の頬側(イーとして見える側)を削って金属にすることは極力回避します。逆に複数本の歯をブリッジの柱に使って予後のいいようにすることもあります。 入れ歯するなら今後悪くなる可能性のある歯を予測し、数年後に困らない入れ歯を設計します。
私は50歳以上の方が始めてインプラントする事には基本的に反対です。 特に歯周病で歯を失った方はそのあと失うたびに高額のインプラントをしないといけなくなります。
一番いい方法を一緒に検討しましょう。