口腔外科

抜歯について

齲蝕うしょくや歯周病は口の中の細菌が原因です。
小さな虫歯のうちは削って詰め物をしたり、ある程度までの歯周病は適切な治療で進行を防ぐことができます。しかし、病態が進行すると細菌が体の中に侵入し、強い腫れや痛み(炎症)を経験することがあります。 この炎症のコントロールがうまくいかないと、場合によっては炎症で喉や首が腫れて、息ができなくなったり、心臓や肺、脳にまで炎症が拡大したり、全身に菌が回って命を落とすような事例が今でもあるのです。 歯科医師はこのようなことを防ぐために、「必要な治療として」原因となっている歯を抜歯しています。 そして、当然のことながら常に抜歯以外の選択肢を十分に検討しています。

抜歯をしなくてはならない状況を列記します。

・歯槽膿漏が進行して歯がグラグラの場合。(原因:歯周病)

・虫歯が進行して、歯の根っこまで浸食してしまった場合。(原因:齲蝕)

・差し歯など治療済の歯の根っこが割れてしまった場合。(原因:歯根破折)

・細菌が歯の神経の空洞を通して、歯の根っこの先端部で炎症を起こした場合。(原因:根尖性歯周炎)

・萌出した歯の位置異常ために咬み合わせに影響し、歯ブラシがしにくかったり、歯茎の炎症を繰り返すような場合。(原因:歯の位置異常)

・親知らずや余分な歯(過剰歯)で、あっても役に立たないばかりか、隣の歯の虫歯や歯槽膿漏、歯列不正の原因になったり、正常な歯の萌出を妨げたり、歯の周りの組織に炎症を起こしたり、 抜歯したほうが口の中の環境が良くなると考えられる歯。(原因:親知らず、過剰歯)

・矯正治療のために歯を動かすスペース作りのための便宜的な抜歯。(原因:不正咬合)

・けがで歯の根っこが割れてしまった場合。(原因:外傷)

顎関節症

口の開け閉めなどで顎関節が痛い、口が開かない、音がするなどが主な症状です。
顎関節は耳の前にある関節ですが、極めて特殊な関節と言えます。たいていは保存的治療で改善可能ですが、時には外科的な治療を要する場合があります。 当院では適切な診断に基づき対応いたします。場合によっては、専門機関へ専門的治療を依頼する場合があります。

口腔内のできもの

口腔軟組織の嚢胞のうほうとしては唾液腺の貯留による粘液嚢胞やガマ腫などが最も多く、下唇や頬、口底部に好発します。 腫瘍は線維腫や乳頭腫などの良性腫瘍から口腔がんなどの悪性腫瘍まで様々です。嚢胞あるいは良性腫瘍が疑われる場合は必要に応じて切除および病理組織学的な診断を行います。 悪性腫瘍が疑われる場合は専門機関へ紹介し精査いただくことになります。口腔がんの診断は見慣れないと歯周病や口内炎などと誤認し、増悪する場合がありますので、専門的な経験が必要です。 これまで口腔がんの診断治療を行なってきた経験を生かして、口腔がん検診も行いますので、ぜひご相談ください。

舌、粘膜の痛みや違和感

様々な口腔粘膜疾患がありますが、主なものを挙げさせていただきます。
・口内炎 ・白板症 ・扁平苔癬 ・カンジダ症 ・ヘルペス性口内炎 ・帯状疱疹 ・地図状舌 ・天疱瘡
​時に全身疾患の位置症状として発症しますので、専門的な診断が必要となります。